銀杏酒店

Hotel Ginkgo

UNBが解散した話

 

2019年1月27日、初めてアイドルグループの最期を目の当たりにしました。この話をすると100発100中でWanna Oneと間違えられるのですがUNBの話です。

2017年に始まったThe UnitというKBSのサバイバル番組から始まったこのUNBはついに日本でのファイナルコンサートを持って解散となりました。去年末にこのコンサートの公示が出た時は「このコンサートで解散なのか」「解散する前最後の日本でのコンサートなのか」と混乱させられましたが、本当に解散だったみたいです。

The Unitは言うまでもなく韓国国内で放送されていた韓国の番組で、韓国のアイドルグループメンバーを対象にしていて、韓国人の方々の応援によって出来上がった部分が大きいです。例えばアイズワンのような日韓合同プロジェクトで出来上がったグループなら日本で解散コンサートをするのも理解出来なくはないですが、日本人の私からしても「なんで日本で解散するんだろう」と思わざるを得ませんでした。まあ詳しいことは本人たち(もしかしたら運営のみ)にしかわかるまい。東京で解散してくれたおかげで解散コンサートに行けたんですから感謝するしかないですね。正直韓国でイベントをするなりデジタルシングルの発売をするなりくらいはあっても良かったんじゃないかと思うけど。

UNBが日本に初めて来たのはおそらく3月の初ファンミ。この頃私はまだUNBのことを知りません。The Unitも見てない。私がUNBのことを知ったのは他でもないBLACK HEARTです。BLACK HEARTについてはこちらのブログ内で死ぬほど語っています。初めて彼らを生で見たのが7月の1stコンサートで、次に9月の2ndコンサート、そして今回のファイナルコンサートに至ります。

初めは「BLACK HEARTがどうしても生で聴きたい」という気持ちのみで行ったコンサートでしたが、自然とメンバー個人に対しても情が湧いて来てどうしようもなく好きになってしまってたんだな、と感じました。今までのアイドルとは少し違う。「デビュー済み」のアイドルたちが集まったUNBの凄さと注目ポイントについてまとめます。

 

とにかくパフォーマンス力がすごい

ドユニは実力主義なサバイバル番組だったんだな、と思います。普通のアイドルグループなら一人はいる「何も出来ないけど顔が可愛い」みたいな人がいない。メンバーが決定したときには「歌えるメンバーが少ない」と非難されたみたいですが、むしろ私はUNBを見て「歌えないメンバーが少なすぎる」と感じます。元のグループでもメインボーカルを張るチャンくんはもちろん、本当はラッパーのジュンくんもめちゃくちゃ歌が上手くてめちゃくちゃ声量がある。ダンス担当のデウォンさんも上手い。本当はラッパーのピルドクや本当はラッパーのウィジンも全然音外さない。BLACK HEARTにはまさかのマルコ以外全員ボーカルのパートがあります。ダンスに関してはこれは言うまでもない。BLACK HEART見れば分かるでしょ。ちなみに最初クルクル回ってる人はメンバーじゃないけどメンバーそれぞれのポテンシャルが高くなきゃあのパフォーマンスはできないからね。アイドルルームで一人ずつフリースタイルダンスを披露させられる結構力量が試される企画があったのですか2人を除いて(この2人もダンスは普通に上手いが)7人がおふざけなしでクソ上手いダンス踊ってて興奮しました。過去このレベルのダンスの個性を持ったアイドルはいなかったのではないでしょうか。

 

思っていたより仲が良い

私たちがアイドルを見ることができるのは例えば音楽番組だったり、動画生配信だったり、コンサートだったりと人前に出て来てくれるタイミングしかありません。BLACK HEARTの活動終了後は日本コンサート以外特に活動もなくそれぞれバラバラになっているのだとばかり思い込んでいました。でもコンサートの練習のために集まったり、それ以外でも一緒に作業したり、ご飯食べたり、訳もなく呼び出して遊んだり、私たちが見えないところでメンバーたちは色んなことをしていたんだな、と今更気づかされました。UNBは上は90lineから下は01lineまで非常に年齢差もあります。人見知りっぽいメンバーも多いです。でも仲が良い。サバイバル番組から生まれたという性質上、ライバル的な一面が無くもないメンバーたちですがそれも良い。お互い多方面に才能があるがあることを認め合っているからこそ刺激しあって高め合える良い経験になっているのかもしれない。UNBは仲の良いグループでもあり、ライバル同士でもあるんです。

 

既存グループとの気持ちの切り替え

これは主にチャンくんの話になります。チャンくんが所属するACEが普通に好きでコンサートにも行ったりするのですが、それぞれの場でほとんど違うグループの話を出さない。むしろUNBやACEのメンバーが話をすることはあっても本人から名前を聞くことがない気がします。だからと言ってどちらかに気持ちが偏っているわけでもなさそう。BLACK HEARTの活動初期にチャンくんが自分のリュックにACEのメンバーたちのバッジをつけていた事件(?)が発生したり、正直ACEの方が思い入れがあるのかとも思ったりしてました。でもどっちにも同じくらい思い入れがあったんでしょう。コンサートのVCR内でピルドクがチャンくんに「ACEでもUNBでも同じチャンだから」のような話をしていましたが、色々思うことがあったのかもしれません。結局何が言いたかったのか。とにかくUNBにACEを持ち込まないチャンくんがとても好きです。かっこいいです。

 

ファイナルコンサートの東京公演2部。本当にUNBとして最後のステージでした。デビュー曲にして神曲の「感覚」から始まりこれまでのアルバム収録曲を中心にして、ほかにもユニットステージや未公開VCR(1stコンの時は既存コンテンツが流れていたこともあった)メンバーからのメントまでたっぷりの三時間でした。UNBはこれまでに2枚のミニアルバムとDVD収録曲しか発売しておらず持ち曲が少ないのですが、コンサートの際に毎回準備されるユニットステージのクオリティがすごく高い。しかも1部と2部で構成を全く変えてくる。そこそこ忙しいメンバーも多い中すごいとしか言いようがない。UNBは一つのグループであり、それぞれ違う中学のヤンキーの総長たちが同じ高校に入学して最強ヤンキー集団になったみたいな雰囲気がありますよね。昔から一緒にずっと練習して来たわけじゃないし、普段もいつも一緒にいるわけではないので「絆」と言うより「戦友」「ライバル」みたいな雰囲気があるのでお互いの意地がぶつかり合うダンスステージやボーカルステージが大好きです。またピルドクを中心として創作意欲のあるメンバーも多くて自作曲や自分たち振り付けの曲も多く披露されて来ました。あんなに創作意欲に溢れるピルドクやデウォンから表現の場を奪ってしまったらどうなるんだろう・・・と心配になります。これからも続けて行ってほしいし、できればステージの上に立つことをやめないでほしい。

本編最後の曲に行く前のメントで マンネのキジュンくんが「UNBのマンネとして誇らしくて」と言った後に声を詰まらせて泣き始めた途端に会場中からすすり泣く声が聞こえ始めました。コンサート中に主にジュンくんやウィジンさんが言っていたのは「これは悲しいことではないから泣かないでください」と。本人たちもとにかく悲しいということを口にしてはならないような雰囲気がありました。多分オタクが泣き崩れることを予想していたんだと思います。悲しかったであろうキジュンくんやマルコもメンバーになだめられていましたが悲しいなら悲しいって言ってくれれば良かったのに。最後までUNBはUNBでした。大人すぎる。ファンを悲しませちゃいけないってそういうことばっかり考える。ファンとのお別れでもあるけど彼らの最後のステージでもあるんだからもっと弱音吐いたりお互いを慰めあっても良かったんじゃないかと不安になりました。元々アイドル再起プロジェクトとして始まったんだから、これからの活動を見据えて行くのもおかしくないことかもしれませんが。でもやっぱり悲しい。短いような長いようなきっと彼らにとって色々なことがあった一年だったと思うけど、本当にお疲れ様でした。これからもメンバー同士仲良く過ごして、音楽番組で再会して、タイミングがあればまたみんなで集まって私たちの前でパフォーマンスしてください。UNBを応援してて本当に楽しかったです。今まで本当にありがとう。